あけましておめでとうございます。
今年も、皆様に日本酒をより美味しく楽しんでいただけるようにと願い・・・まずは自分が楽しく美味しく飲んでいきたいと思います(笑)。
今回は、地元和歌山産山田錦で仕込んだ純粋な地酒「車坂 純米吟醸 和歌山山田錦(18BY)」をご紹介します。
まずは常温でひとくち。
まずは常温(15度前後)でひとくち。
去年の夏までは、非常に固い味わいで酸が目立ち、バランスが整っていない印象でしたが・・・アタックは、お米の甘みが感じられます。旨味はまだこれからの熟成待ちといった感じですが、その分スッキリ感があります。酸は、夏の頃よりはずいぶん落ち着いて、甘みとのバランスがとれています。
香りは、純米吟醸のわりには非常に控えめで、食べ物を邪魔しない食中酒らしさを感じます。
お正月でややお疲れ気味の胃にやさしい、野菜のアテにも合います。
さてお燗です。いつものように50度まで上げてみます。
香りが立ってきました。酸を思わせる香りと、お米由来のまるみのある香りが広がります。
口に含んでみると、常温で感じた甘みは感じるものの、すぐに旨味酸味と入れ替わります。若さのある旨味と酸味が、間にかすかな甘みをはさんで続き、後半はキリッと酸が引き締めて、旨味の余韻を切ってくれます。
この温度では、お酒自体はかなり強い印象ですので、高い温度でのお燗がお好きな方以外は、あまりおすすめできないかもしれません。
変わり野菜炒めの野菜の苦み、塩胡椒のスパイスによる辛みと苦みに対してはアクセントとして、隠し味のいしる(魚醤)の旨味に対しては補うように、お酒との相乗効果が楽しめます。
やや待って、人肌燗(35度前後)になった頃に、ひとくち。
この温度で、甘みを一番強く感じます。旨味とのバランスも良く、途中から含み香も鼻腔へ抜け、旨味と酸味が飲み応えを感じさせます。
蕪葉と山っこしいたけ(飛騨高山産の大きな椎茸)鰹の酒盗和えといただきます。
椎茸と酒盗、そして出汁として使われた日本酒の圧倒的な旨味に、本当によく合います。蕪菜の甘みと苦みが心地良く、酒盗の塩辛さが次の杯へと誘います。
辛口好みなら、常温で。お刺身にもよく合います。
ほっこりゆるゆると味わうなら、人肌燗で。野菜のお浸しから魚の煮物まで、幅広く受け止めてくれます。
まだまだ胃が元気な方なら、思い切って熱燗で。唐揚げや天麩羅など、アツアツの料理と一緒にお楽しみ下さい。
■撮影協力
蔵朱
大阪市中央区南新町2−3−1
スタークィーンビル2階
06−6944−5377
■ 車坂 純米吟醸 和歌山山田錦(18BY)
当蔵では、認定に先立ち和歌山での山田錦の栽培に取り組みました。
純米吟醸ならではの優しい甘い香り。しっかりした旨味酸味が口に広がります。