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空白

「今年も紀州の自然と共に」

日本には、美しい四季があり、その風景は、季節が変わるごとに私たちの心に深く染み込んでいきます。未だ解き明かされていない自然の力を最大限に利用しながら、私たちの地元紀州でも、野山は、様々な姿を見せてくれます。紀州のこの豊かな自然の懐に抱かれて醸し出された「旨し酒」でありたいと願い、当店は、今年も真摯に酒造りに取り組みます。本年もお引き立てよろしくお願い申し上げます。

日本では、わずか100年ほど前まで、自然の変化を暮らしの中に取り入れ、心豊かな日々を皆がすごしておりました。日の変化は、自然の光(地球の自転)を指標として季節により長さの変わる時間を有効に使っておりました。また、毎月の変化は、月の満ち欠けを目安に、見上げれば文字通り月日がわかる大きな夜空のカレンダーを皆で共有しておりました。さらに、二十四節気(地球が太陽を回る公転)で目に映る、肌に感じる季節を1年間の生活のリズムとして体が覚えておりました。

この複雑ではあるけれど、体のバイオリズムと調和した時間は、太陰太陽暦として発展しました。江戸時代には、各地の暦所で正式な暦の認定を幕府から受けて発行されていたそうです。
時間が洪水のように押し寄せる現代社会では、体のバイオリズムに添った生活は望むべくもありません。しかし、たまには夜空を見上げてください。自在に変化するきれいなお月さまが私たちに、ひと時のゆとりを与えてくれます。月明かりで飲むお酒は、格別です。


新暦と旧暦

新暦ではよく暖冬や冷夏などといわれますが、月と太陽の運行を精緻に計算した旧暦は農暦とも言われ、閏月がどの季節(春夏秋冬)に入るかで(旧暦では閏月の入る季節は1ヶ月ほど延びます)、その年の季候と季節感が、大概は一致したといわれています。

明治以前、賀状の「新春お祝い申し上げます」は、文字通り、「1月から始まる春の息吹をみんなでいっしょにお祝いしましょう」という言霊が発するメッセージでした。旧暦3月3日には桃の節供があり、旧暦5月5日には菖蒲風呂(端午の節句)に入り、旧暦7月7日(七夕)は、きれいに見える天の川をながめ、旧暦9月9日は重陽の節供として日本酒に菊の花を浮かべ延命長寿を祈願しました。

また、旧暦では、一ヶ月を月の満ち欠けを基準に設定しますので、朔日(一日)は必ず新月で、15日前後が満月となるため、死者の魂を尊ぶ月命日も夜空を見上げればわかるというロマンティックな世界がありました。忠臣蔵の討ち入りが何故12月14日であったかも旧暦では理解できますね。さらに、釣り人には旧知のことですが、大潮、小潮で釣果が違います。生物のバイオリズムは月と太陽の地球に対する引力で変化しますが、これも旧暦では一目瞭然です。

日本人が、1000年以上も利用してきた太陰太陽暦をご紹介します。是非、皆様の生活にご活用下さい。

旧暦の世界に思いを馳せると、酒も人生も2倍楽しくなるでしょう。


太陰太陽暦で使われる用語解説

●二十四節気

地球が太陽を一周する季節を24等分してそれぞれの季節にあう名称を付けています。太陰太陽暦の季節のずれを調整するための指標です。新暦は、この時間基準だけを使って作られています。

二十四節気

立春 (りっしゅん)

旧暦正月節 新暦2/4頃
「春の気たつを以て也」(暦便覧)
春の節分の翌日で、この日から立夏の前日までが春となります。

雨水 (うすい) 

旧暦正月中 新暦 2/19頃
「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也」(暦便覧)

啓蟄 (けいちつ) 

旧暦二月節 新暦 3/6頃
「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」(暦便覧)
ニュースなどで春のきざしとして「啓蟄」と言う言葉が使われます。

春分 (しゅんぶん)

旧暦二月中 新暦 3/21頃
「日天の中を行て昼夜等分の時也」(暦便覧)
この日を挟んで前後7日間が春の彼岸となります。昼夜の長さがほぼ同じ頃であり、これから夏にかけて昼の時間が長くなって行きます。

清明 (せいめい)

旧暦三月節 新暦4/5頃
「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也」(暦便覧)
この頃の晴れ渡った空が清浄にして明潔である様を略した言葉です。

穀雨 (こくう)

旧暦三月中 新暦4/20頃
「春雨降りて百穀を生化すれば也」(暦便覧)

立夏 (りっか)

旧暦四月節 新暦5/6頃
「夏の立つがゆへ也」(暦便覧)
この日から立秋の前日までが夏となります。

小満 (しょうまん)

旧暦四月中 新暦 5/21頃
「万物盈満すれば草木枝葉繁る」(暦便覧)

芒種 (ぼうしゅ)

旧暦五月節 新暦6/6頃
「芒ある穀類、稼種する時也」(暦便覧)
稲の穂先のように芒(とげのようなもの)のある穀物の種まきをする頃という意味ですが、日本においては少々遅いと言われています。

夏至 (げし)

旧暦五月中 新暦6/21頃
「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也」(暦便覧)
一年中で一番昼が長い時期です。

小暑 (しょうしょ)

旧暦六月節 新暦7/7頃
「大暑来れる前なれば也」(暦便覧)
本格的な夏の始まりです。

大暑 (たいしょ)

旧暦六月中 新暦 7/23頃
「暑気いたりつまりたるゆえんなれば也」(暦便覧)
土用のうなぎでよく知られている夏の土用の時期。土用とは四季のそれぞれの最後の18日間を言います。土用の最後の日が節分(季節の別れ目)となります。

立秋 (りっしゅう)

旧暦七月節 新暦 8/8頃
「初めて秋の気立つがゆへなれば也」(暦便覧)
この日から立冬の前日までが秋。暑中見舞いはこの前日まで、この日以降は残暑見舞いとなります。

処暑 (しょしょ)

旧暦七月中 新暦 8/23頃
「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」(暦便覧)

白露 (はくろ)

旧暦八月節 新暦9/8頃
「陰気ようやく重なりて露にごりて白色となれば也」(暦便覧)

秋分 (しゅうぶん)

旧暦八月中 新暦9/23頃
「陰陽の中分となれば也」(暦便覧)
昼と夜の長さがほぼ同じになる頃。この日は秋彼岸の中日となります。

寒露 (かんろ)

旧暦九月節 新暦 10/8頃
「陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也」(暦便覧)
秋もいよいよ本番となります。菊の花が咲き始め、旧暦九月九日は重陽の節供となります。

霜降 (そうこう)

旧暦九月中 新暦10/23頃
「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也」(暦便覧)

立冬 (りっとう)

旧暦十月節 新暦11/7頃
「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」(暦便覧)
この日から立春の前日までが冬。日は短くなります。

小雪 (しょうせつ)

旧暦十月中 新暦11/22頃
「冷ゆるが故に雨も雪となりてくだるがゆへ也」(暦便覧)
日差しが弱まり、冷え込みが厳しくなります。

大雪 (たいせつ)

旧暦十一月節 新暦 12/7頃
「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」(暦便覧)

冬至 (とうじ)

旧暦十一月中 新暦 12/22頃
「日南の限りを行て日の短きの至りなれば也」(暦便覧)
一年中で最も夜の長い日。この日より昼間が長くなります。冬至南瓜や柚湯の日。

小寒 (しょうかん)

旧暦十二月節 新暦 1/5頃
「冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也」(暦便覧)
この日が寒の入りになり、この日から節分までが「寒」と呼ばれます。

大寒 (だいかん)

旧暦十二月中 新暦1/20頃
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」(暦便覧)
一年で一番寒さの厳しい頃 。

注(暦便覧:天明八年(1988)に出版された暦の解説書)

●五節供

年の節目になる日で特に重要とされた日(旧暦表示)

現在では、「節句」と書くこともありますが、もともとの語源からは節供と書きます。日々の生活の節目に置かれた中国の行事に起源を発しますが、江戸時代には五節供が公式行事として執り行われていました。

  • 人日の節供(若菜の節供、七草粥)(一月七日)
    七草粥を食べると万病を免れるといいます。
    七草粥に使われるセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロも旧暦では、店頭ではなく野山に生えています。


  • 上巳の節供(桃の節供、ひな祭り)(三月三日)
    古代には、ひと形を川に流し不浄を払う習慣から、雛人形を飾る祭りに変遷していきました。
    ひな祭りの時に、はまぐりの吸い物を食べる習慣がありますが、これは、水で穢れを払うため行われた、水遊び、浜遊びの習慣から由来したものと考えられます。


  • 端午の節供(五月五日)
    菖蒲湯に入り、邪気をはらい。作物の実りを祈願しました。
    古来は、薬狩りと称して、野山に生えだした薬草をとる野遊びから発達したもの考えられます。菖蒲湯に入ったり、蓬団子を食べたりするのはその名残です。


  • 七夕(シチセキ)の節供(七月七日)
    天の川を渡って織姫と牽牛が一年に一度だけ会うという星を愛でる行事
    織女星、牽牛星
    織女星は、こと座のα星(ベガ)、牽牛星はわし座のアルファ星(アルタイル)ともに1等星で、天の川をはさんで見つめあっています。
    旧暦の七月七日では、梅雨も明け、夜空は必ず上弦の月になり、きれいな天の川と星空が見えます。


  • 重陽の節供(菊の節供、九月九日)
    重陽は、江戸時代、五節供を締めくくる最後の節供として特に重要視されていました。縁起の良い九の数が重なるたいへんめでたい日に菊酒で健康と長寿を祈るお祭りです。
    重陽の節供は、ほかの節供と同様、起源を中国にさかのぼることができます。中国では、奇数は縁起のよい数字(陽数)とされ、一番大きな陽の数である九が重なる9月9日を、「重陽」として一年の最後で最も重要な節供とされました。菊はその意匠が皇室の紋章ともされているまぎれもなく日本を代表する花といえます。その菊には、中国でも薬効があるとされており、一年の最後の節供ということで、前夜にまだつぼみの菊の花に綿をかぶせて菊の香りと夜露をしみこませたもので、延命長寿を願い身体を撫でたり(菊の被綿)あるいは、日本酒に菊を浮かべて(菊酒)健康を祈って飲んだりする盛大な祭りが明治以前まではおこなわれていました。

 

●雑節

二十四節気・五節供以外の暦日です。二十四節気・五節供は、中国から伝わったものですが、日本では、中国にはない日本独自の年中行事も雑節として暦に取り入れられるようになりました。

現在に残る主な雑節です。

  • 節分(立春の前の日)
    もともとは、季節と季節の節目と言う意味で使われていましたが、冬から春の季節の節目は、1年の区切りでも あるため、年の瀬、最後の日に邪気をはらい、幸せを願い、豆まきをする風習がありました。
  • 元日
    暦の一月一日でこの日を年の初めとして祝います。現代でも、新暦のnew year count downなど年の始まりとして、イベントが大流行しています。
  • 小正月
    年の最初の満月(望月)の日。昔は、女正月として、あづき粥で今年の運勢を占うなど元旦のお疲れ会的意味がありました。
  • 彼岸
    仏教では西方に極楽浄土があると言われています。夕日が真西に沈む彼岸は、極楽への道標と考えられていました。彼岸会と言われる仏教行事で、春分、秋分の日を中日として前に三日間、後に三日間の七日間を彼岸と呼びます。日本独特の仏教における祭事で、春と秋の2回あります。
  • 社日
    春分、秋分に最も近い戊の日。春と秋の二回あり、土地の神社に無病息災を願ってお参りする日ですが、いかにも多神教の日本らしく仏様に神様にも年に2回はご挨拶に行ったようです。
  • 八十八夜
    立春から八十八日目、これ以降は霜が立たないとされ、農業上の重要な節目で茶摘や籾蒔きの目安として利用されました。
  • 入梅
    暦上での入梅、田植え入りの目安
  • 半夏生
    この日までに田植えを終わる目安
  • 土用の丑
    猛暑の時期で、食養生をする習わしがありました。平賀源内の考えたキャッチコピー「土用のうなぎ」はよく知られています。
  • 盂蘭盆会
    先祖の霊を祭る仏事。関西では月遅れの新暦8/15に多くの地域で行なわれます。本来は、死者を供養するため満月の日に行い、夜には月明かりのもと、盆踊りが行われます。
  • 二百十日・八朔(二百二十日)
    稲の開花日で台風を警戒する時期となります。
  • 中秋の名月(芋名月)・十三夜(豆名月)
    秋の盛りに一年を通して一番綺麗な月を楽しむ行事。月をめでながら夜通し酒を酌み交わしました。
  • 炉開き
    夏の間、仕舞っていた炉を開き、新茶をいただく茶事です。

 

●暦注(特別な意味のある日)

  • 一粒万倍日
    一粒万倍日とは、一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味で、事を始めるのに縁起の良い日とされました。
    特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉。ただし、借金をしたり人から物を借りたりすることは、逆に苦労の種が万倍になるので凶とされています。
  • 庚申
    人の悪事を監視している頭と腹と足にいる三尸の虫が、庚申の日の夜に、人が寝ている間に体から離れて天帝に日頃の行いを報告
    (その悪事多寡により、寿命が縮められると言われていました。)
    するという道教の信仰行事が始まりです。そこで、この日は、三尸の虫が天に登れないようにするため、庚申待ちとか宵庚申と言い寝ずに酒盛りなどをして虫を酔わし、夜を明かしたそうです。
  • 六曜(現在もっともよく利用されている暦注)
    六曜は、六輝ともいい、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六つの総称です。現在でも、大安は縁起のいい日、仏滅は万事に凶というように生活に利用されている暦注ですが、歴史は、新しく明治以降に暦注に取り入れられました。旧暦では、六曜には、簡単な法則があり、あまり神秘性を感じないため、ばくち打ちなど一部の人が利用するだけでした。その法則は、正月と七月の朔日は先勝から、二月・八月の朔日は友日から、三月・九月の朔日は先負、五月・十一月の朔日は大安、六月・十二月の朔日は赤口からはじまり、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の順に回るという単純なものです。

 



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